お酒に関わる病気

お酒が体に与える影響

影響 画像

体内に入ったお酒の約90%は肝臓で分解されます。私達が酔っていい気分になっている間も、肝臓は黙って働き続けているのです。
しかし、ガマン強い臓器といわれている肝臓でも、絶えずお酒の処理に追われていると、もちろん、働きが悪くなってしまいます。アルコール依存症の合併症として、約8割の人に何らかの臓器障害が認められると言われており、その中で肝臓障害が最も多く見られます。

また、お酒が悪影響を及ぼすのは肝臓だけではありません。アルコールを取りすぎると、糖尿病やすい炎などのすい臓の障害のほか、消化器系、循環器系、脳、末梢神経障害など、全身の臓器におよび障害が現れます。これらの臓器障害は自覚症状のないままに進行してしまうことも多いので気をつけなければなりません。
まずは、アルコールの過剰摂取に注意すること。そして、定期健診などで早期発見、早期治療を心がけることが大切です。

お酒に関わる主な病気

脂肪肝
1日5合以上の飲酒を1週間ぐらい続けていると必ず起こるといわれいるのです。肝臓の細胞内の脂肪量が増えた状態をいいます。
初期はとくに症状はほとんど見られず、肝機能検査をするとγ-GTPが高い値を示します。1ヶ月程度の禁酒で改善されることが多いのですが、ひどくなると腫れてきます。お腹(右側の肋骨の一番下あたり)を押してみて、硬くなっていたら脂肪肝の恐れがあります。
アルコール性肝炎
脂肪肝の状態でさらにアルコールを飲みつづけると、肝細胞の一部が破壊されてしまい、肝臓が炎症を起こします。また、アルコールを多量に飲むことによって、栄養バランスがくずれてしまい、健康な体を保とうとする免疫の機能が、アルコールによって変化した肝細胞を異物とみなし攻撃するようになります。そうすると、食欲減退、吐き気、倦怠感、腹痛、発熱、黄だん、肝臓が腫れて重苦しいなどの症状が出てきます。この肝炎を繰り返していると、肝線維症や肝硬変につながるこをもあります!
肝繊維症
アルコールで肝臓の役目を果たす大切な肝細胞が破壊され、肝臓の中に、目に見えない糸のようなものがたくさんでき、肝臓が硬くなってしまう病気です。このため、肝臓の血液の流れが悪くなり、細胞自体が傷ついてしまいます。自覚症状はアルコール性肝炎と同じですが、倦怠感や発熱、黄だんなどの症状はでないことが多いようです。
禁酒することである程度の改善は可能ですが、放っておくと肝硬変になる可能性があります。
肝硬変
肝炎などの肝障害のために肝臓が何度も繰り返してダメージを受けると、組織の線維化が生じて肝臓全体に広がり、肝臓の表面がでこぼこと変貌してしまいます。
肝硬変の最初の頃は自覚症状がないのですが、進行にともなって肝臓の働きに必要な血液の流れが悪くなり、身体全体にいろいろな症状がでてきます。
高血圧
統計的な研究では、1日2合以上飲んでいると血圧が高くなるという説もあるそうです。高血圧は生活習慣病のなかでも最も多い疾患で、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症のリスクにもなります。
アルコール依存症
アルコール依存症とは、飲酒などアルコールの摂取によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返してしまう病気です。
現在、230万人以上の患者がいるといわれ、かなり深刻な問題になってきています。
アルコール依存症について詳しくはこちら>>>
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