お酒は適量

お酒の適量ってどれくらい?

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「適量のお酒を飲んでいる人の方が、お酒を全く飲まない人、また大量にお酒を飲む人に比べて、最も死亡率が低い」というJカーブ効果。それでは、一体、この適量とは、どのくらいの量をいうのでしょうか?

ここで、重要なのが、血中アルコール濃度です。
体内に入ったアルコールは約20%が胃で、残りの80%が小腸で吸収され、血流に乗って全身を巡る途中、肝臓で分解されます。どんどん分解されれば酩酊せずにすみますが、肝臓のアルコール処理能力は限界があり、1時間で体重1kgにつき100ml程度といわれています。処理しきれなかった分のアルコールは血液中に残り、再び体内を循環します。血液中にどれだけアルコールが残っているかで酔いの状態が違ってきます。そして、お酒の「適量」とはこの血中濃度が0.1%までに抑えられる分量をいいます。

お酒の単位

では、「血中アルコール濃度0.1%」とは、実際、どのくらいの量なのでしょうか?血中濃度が0.1%までに抑えるといっても、どのくらいの量まで飲んでいいのかわかりずらいですよね。
そこで、便利なのが、「お酒の単位」という考え方です。
清酒1合、ビール大瓶1本(633ml)、清酒1合(180ml)、ワイン1/3本(240ml)、ウイスキーの水割り・シングル2杯(60ml)、焼酎お湯割り0.6合(110ml)に含まれるアルコールの量はだいたい22g前後です。これは、体重60kgの人が30分以内に飲んだ場合、約3時間で分解される量に相当しますが、これを「酒1単位」としています。

医学的には「1日2単位まで」というのが定説とされていますので、例えば、ビール1本と清酒1合を飲んだ場合、合計2単位ということになります。

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お酒の単位

肝臓のアルコール分解能力は、体重によって変わってきます。基本的に、体重が重いほどアルコール分解能力が高く、体重が軽いほど、アルコール分解能力は低くなります。つまり、平均よりも体重が軽い人は、お酒の適量は、「酒2単位」よりも少なめということになります。

下記の計算式で適正飲酒量を求めることができます。

適正飲酒量(ml)
=血中アルコール濃度(0.1%)×833×体重(kg)÷アルコール度数
(※833は指数)

例えば体重60kgの人の場合、ビール(アルコール濃度5%とする)の適量は
0.1×833×60)÷5=1000ml
つまり、ビール1本と1/3本程度の量に該当します。

※ただし、肝臓のアルコール分解能力は、生まれつきの体質によりかなり差がありますので、注意して下さい。