お酒は適量

Jカーブ効果

お酒の「Jカーブ効果」というものをご存知でしょうか?
これは、アメリカ合衆国保健科学協議会で発表された「適量のお酒を飲んでいる人の方が、お酒を全く飲まない人、また大量にお酒を飲む人に比べて、最も死亡率が低い」という疫学調査の結果に基づいて唱えられた考え方です。 この調査の結果をグラフの縦軸に死亡率、横軸にアルコール摂取量をとると、全く飲まない人から徐々に死亡率の縦軸の値が減少し、ある程度適量のアルコール量をこえると逆に死亡率の値が増加しグラフは上向きに延びます。この適量飲酒がもたらす効果を、グラフの形から「Jカーブ効果」と呼んでいます。
これには人種や性別、地域条件を越えた共通性が見られます。これはストレス発散などの効用や虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)に対する予防効果などが原因と考えられています。

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Jカーブ効果

全死亡率とは、病気だけでなく、事故、事件を含めたあらゆる原因による死亡率のことです。 「全く飲まない」人を基準とした場合の各飲酒量毎の相対的な死亡率をグラフにすると、J型のカーブになります。

適量の飲酒が死亡率を低下させる理由

死亡原因で大きなウエイトを占める心臓病に対して予防効果があるためと考えられます。これは、アルコールが、心臓疾患を予防する効果のあるHDLコレステロール(善玉コレステロール)のレベルを上げ、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)のレベルを下げる働きがあることによるとされています。
この他にもストレスに反応する冠状動脈発作を減少させる、といった要因も指摘されています。お酒を全く飲まない人の自殺率と、大量飲酒者の自殺率が最も高いという調査結果も出ています。
ただし、これはその人のアルコールに対する耐性や、年齢、健康状態によっても異なるので、お酒を飲めば必ず死亡率が下がるわけではありません。それぞれの人に合った飲酒の仕方を心がけるべきです。また、Jカーブ効果があるからといって、お酒を飲まない人にまで、お酒を飲むことを推奨すべきものではないので注意しましょう。

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お酒の適量ってどのくらい?